1万以上もの島からなる東南アジア最大そして世界最大の群島国家インドネシア。2億6千万人の人口を有しており、それは日本の人口(1億2千6百万)の約2倍でASEAN地域で最多を誇っています。日本貿易復興機構(JETRO)の2020年1月の報告によると、インドネシアに進出している日系企業の数は1,489社あります。
今回はそんなインドネシア進出に際してのビジネス上のメリット・デメリットを紹介したいと思います。更にインドネシアに進出した日本企業の進出動向についても解説します。
1. インドネシア進出のメリット
メリット1 人口増加で有望な市場
今のインドネシアは世界人口4位についており、平均年齢が29歳と若く、今後30年は人口ボーナス期を迎えると言われています。その中でも近年では中間所得層が10年で12倍に増えており、消費規模が拡大し続けています。インターネットの普及でEC市場も拡大しており、消費の増加を後押ししています。潜在的に巨大な消費市場であることはとても大きな進出メリットです。
メリット2 親日国
インドネシは「世界最大の親日国家」と言われています。2018年にアウンコンサルティング株式会社が行った調査によると、日本に対して「好き」または「大好き」と回答した人は94%にも上ります。また、日本語の学習者数も約90万人と中国に次いで世界2位となっており、インドネシア人の日本に対する関心の高さが伺えます。
その他、アニメや映画を通して日本文化への関心も高く、品質の良い日本製品の人気も高まっています。こういった日本文化への理解・興味は、文化も宗教も異なるインドネシアでビジネスを始めるに当たり大きな助けとなることでしょう。
メリット3 豊富な資源国家
インドネシアの国土面積は約192平方メートル(日本の約5倍)と広大です。豊かな天然資源に恵まれ、農林水産物を始め石油・天然ガスや石炭などの鉱物類と保有する資源は多様かつ豊富です。
また、インドネシア東部の島々には豊富なエネルギー資源や 森林資源があり、合板やラタンについては世界最大の生産・輸出国でもあります。
この天然資源は多くの外資企業からの注目を集め、大規模な投資マネーが集まってきています。
このように、生産面・消費(市場) の面から見てもインドネシアは限りない開発と発展の未来あるポテンシャルを持った国です。
2. インドネシア進出のデメリット
デメリット1 インフラ整備が不十分
インドネシアのインフラ整備で特に不十分とされているのが、「交通」「電力」です。電力に関しては近年の急激な経済発展により国全体の需給が逼迫している状況です。
交通インフラは首都ジャカルタ市内や、多くの日系製造業が集まる ジャカルタ東部のチカラン地区とジャカルタを結ぶ高速道路での渋滞が慢性化しており、アクセス道路の増強が急務となっています。
デメリット2 国家の法律が不安定
インドネシアでは事前の告知もなしに法令が変更されるケースも少なくなく、変更された内容も不安定であるという例もあります。法令の受け取り方が役人によって異なるという現象も起きるので、日本企業はひとつの情報に頼るのではなく臨機応変に対応をすることが望まれます。
デメリット3 文化の違い
日本とインドネシアでは多くの文化の違いがありますが、特に宗教観の違いは日本企業にとってデメリットとなる可能性があります。インドネシアは国民の8割がイスラム教徒であり、イスラム教はアルコール類、豚肉の摂取が禁じられていることで有名です。この価値観の違いから現地人との交流が困難な場合もあります。
3. 日系企業のインドネシアへの進出動向
2019年8月~11月時点で、1,489社の日系企業がインドネシアにが進出しています。
内訳は現地法人が1,401社、駐在員事務所が87社、支店が1社となっています。
(※JETROインドネシア進出企業リストより)
主に自動車関連の製造業の進出が多く(871社)、次いで卸売/小売業界や建設・インフラ業などの非製造業(618社)の進出が目立ちます。
また、今後はエネルギー資源や電子マネー等の分野の進出が予想されます。
4. ASEAN No.1 マーケット
政治社会情勢及び金融の安定化,個人消費の拡大を背景として,2005年以降の経済成長率は,5%後半~6%台という比較的高い成長率を達成。2018年のGDP(国内総生産)は約10,422米ドルでASEANのトップとなりました。ASEANの中でも成長著しいインドネシア。今後資源に着目した外資企業の投資が進むことによってさらなる経済発展と個人消費の促進が期待されます。まさにインドネシアは魅力的なマーケットといえるでしょう。
5.「対応力」がインドネシア進出する上で必要不可欠
経済成長著しい魅力的なマーケット、インドネシア。しかしインドネシア進出が容易ではないことも事実です。
「デメリット」項目でも述べたように法や規制の不安定さ、日本との文化の違いが大きな要因となっています。そこで日本企業にもとめられるのは「対応力」となります。日本の当たり前が通用しない海外でいかにその国の習慣や文化を理解し、柔軟に対応できるかが重要となってきます。
6. まとめ
今回はインドネシア進出のメリット・デメリットについて紹介しました。
親日国家として有名なインドネシアは、今後その豊富な人口と天然資源により更なる経済発展が期待され、海外進出先としてとても魅力的な国です。
未整備なインフラやイスラム教といった日本とは異なる文化への対策が必要となってきますが、今後の経済成長を考えるとインドネシアへの進出は多きなメリットがあるといえます。
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